「牛田さんの演奏が聴きたくて、行ったことのない様々な地域に遠征するようになりました。
多くのファンがそうであるように、牛田さんを中心に生活が回っている感じです。」
そう語るのは、ピアニスト・牛田智大さんのファンである《acchi》さん。
今回は、そんなacchiさんに、ピアニスト・牛田智大さんの魅力について訊いてみました。
ファンだからこそ伝えたい《牛田智大の魅力》がたっぷり詰まったお話を、是非お楽しみください!
acchiさん
テレビで浜松国際ピアノコンクールの特集番組を見て、牛田さんのピアノに心惹かれる。
その後、音楽そのものから離れざるを得ない期間が長く続いていたが、コロナ禍をきっかけに再び音楽へ急旋回。
その時に、牛田さんのことが心に浮かび、次第に《沼》へと…
牛田智大の魅力とは
牛田智大さんの魅力について、acchiさんは大きく分けて以下の2点を挙げてくれました。
「作品の内面性や、ストーリーを感じることができます。
非常に弾き方が丁寧で、音が濁らず、1音1音の持つ意味が感じられます。
そのため、他の方の演奏では気づけなかったパッセージの魅力に気づけたり、聴くたびに新しい発見があります。」
「技術をひけらかしたり、外見的かっこつけを一切することなく、いつも謙虚に研究や練習に打ち込んでいるところが素敵だなと思いますし、それが間違いなく彼の音楽に表れていると思います。」
また、牛田さんはショパン弾きとして広く知られていますが、近年はモーツァルトをはじめ、シューマン、リストなどでも素晴らしい演奏を披露しており、着実にレパートリーを広げられていると、acchiさんは語ります。
「特に、リーズ国際ピアノコンクールで披露されたシューベルトの演奏は秀逸で、《シューベルト弾き》という呼び名も加わるのではと予感させます。
演奏の成熟と若さのマッチングが素晴らしく、作品に対する深い洞察力から生みだされる独自の解釈が、彼の演奏を唯一無二のものにしていると思います。」
聴衆を深く引き込む力のある演奏
acchiさんは、年に何度も牛田さんの出演されるコンサートへ足を運ばれていますが、彼の聴衆を深く引き込む力のある演奏は、まるで自分に語りかけられているような感覚に陥ると言います。
「毎回違うピアノ、ホールの響き、聴衆の数などに合わせた弾き方を工夫されていると思います。同じプログラムを何回か聴かせていただいても、毎回違う感動や発見があり、やはり凄いピアニストだなあと思います。」
また、コンサート以外の場面でも、牛田さんの日々の考え方や言葉の一つひとつにも、すごく感銘を受けられているようです。
「具体的には、まず『急がずに、だが休まずに』というゲーテの言葉を座右の銘としておられることです。
目先のことばかりにこだわるのではなく、長い一生をどのように進んで行ったら良いか深く考えている―いかにも牛田さんらしい姿勢に、感銘を受けています。
そして、事あるごとに言っておられる『ピアノは音の減衰を最も自然に美しく描ける楽器である』『すべての音楽は静寂から始まり、静寂に還らなければならない』という言葉も素敵です。
この考え方は、牛田さんの演奏観の根底をなすものであると思います。」
acchiさんは、《ピアノの音は、打鍵した瞬間から消えていく運命にあるからこそ、そこに美しさと難しさがある》ということに、牛田さんに出会って初めて知らされたそうで、他の楽器についても、この観点から考え直すようになったそうです。
牛田智大について皆さんに伝えたいこと
ピアニスト・牛田智大についてもっと多くの人に知ってほしいと、acchiさんから《ファンだからこそ伝えたいメッセージ》をいただきました。
「繊細さと力強さの絶妙なバランス、深い精神性を感じさせる演奏-牛田さんの演奏を是非ぜひ一度聴いてみていただきたいです。
それから、メディアによく登場していた、子供の頃の牛田さんしか知らない方へ、『彼は弛みない努力を地道に続け、こんなに深みのある演奏をなさる超一流の演奏家に成長し、今も進化を続けています』と申し上げたいです!」
最後に、牛田さんのことで特に注目してほしいことを3つ挙げてくれましたので、ご紹介します。
- 近年はソロ演奏だけでなく、室内楽にも積極的に取り組んでおり、表現の幅が格段に上がっています!
- 文才も豊かで、只今webマガジン『ontomo』に連載中の『音の記憶を訪う』は、大変多くの方に読まれ、大好評です。音楽的知識も得られ、しかも楽しい連載ですよ。
- 三井みらいチャレンジャーズオーディション2023の最終選考者のお一人に選ばれ、「音楽とは何かーその体系的全容」という、アガジャーノフ氏の著書の日本語訳出版プロジェクトに取り組んでおられるので、こちらも注目してほしいです!