子供が習い事を始めるとき、親としては成長や上達を期待するものですが、実際には子供が練習をしない、やる気を見せないという場面に直面することが少なくありません。
この状況に苛立ちを覚え、「練習しないならやめなさい」と言いたくなってしまう親も多いでしょう。
しかし、子供が練習しない理由や背景を理解せず、この言葉を安易に言ってしまうのは本当に危険です。
本記事では、「練習しないならやめなさい」と言いたくなってしまう親の方に、子供が練習をしない根本的な理由や、習い事に対する子供の本音、さらにはその対処法について探っていきたいと思います。
「練習しないならやめなさい」と言わないために、どうすれば子供が楽しく練習に取り組めるのかを一緒に考えていきましょう。
お子様のピアノを上達させるために、親が意識するべきことについては、コチラの記事で解説しています。
子供が練習しない理由
練習しない原因
子供が練習をしない理由は、単に「やる気がない」「もう飽きた」などということだけではありません。
習い事の先生方に話を聞くと、真の原因としては、親と子供の間で期待や目的のギャップが生じていることが多いからなのです。
例えば、親が「なんでやる気がないの?」を子供に問いかけた時、子供の気持ちを理解しようとしないまま、ただ答えだけを求めることがあります。
子供としては「お父さんとお母さんは、私に何を期待しているの?なんでその期待に応えなければならないの?」と思っていることが多く、それが原因で、練習に取り組めないことが多いのです。
親がそれを問いかける理由は、おそらく「あなたがやりたいと言ったからでしょ?」になると思います。
しかし、「習い事を始めたい!」と子供が言ったとしても、子供としては「ただ周りの子と同じことがしたい」という動機であることが多いですよ。
それを分かっていないと「自分からやるといった子供に期待している」「やるからには最後まで頑張らせなければならない」と考えてしまいます。
このように、最初から親と子供の間で熱意や目的が異なっているため、練習が続かないという結果になりがちです。
そもそも練習とは何を指すのか
「練習」とは、特定のスキルを反復して行い、より効率的に遂行できるようにするためのことです。
大人が考える「練習」は、上記にように、特定の技術や動作を反復することで上達を目指すものですが、子供にとっては必ずしも同じ意味を持たないことがあります。
大人が求める、上記の「練習」という考え方に子供が共感できないと、練習自体が苦痛になり、やりたくないと感じてしまうのです。
そのため、親は練習というものが「楽しいからやる」と思えるようにすることが重要です。
「練習って楽しい」と感じさせるためには、子供がその活動を自分の意思で選び、やりたいと感じることが必要です。
つまり、親がやるべきことは、「子供がなぜその習い事を始めたのか」そのきっかけとなった原点に立ち返ることです。
ここをおろそかにしてしまうと、先述したように親と子供の間で食い違いがあり、練習に対する考え方に溝ができてしまいます。
習い事を始めるに至った動機や、子供が感じる楽しさを大切にしましょう。その気持ちを尊重することで、自然と練習に取り組む姿勢が生まれていきますよ。
習い事をやめさせたほうが良いのか
まずは練習が楽しいと感じさせること
習い事が子供にとって負担になっているなと感じたとき、親としてはやめさせるべきかどうか悩むことがあります。
しかし、その前にまず考えるべきことは、子供が練習を楽しんでいるかどうかです。
子供の視点に立ち、「なぜこの習い事をやりたいのか」「どんなところが楽しいのか」を理解しようとする姿勢が、子供のやる気を引き出す鍵となります。
習い事が子供にとって楽しいものであれば、上達のペースが遅くても問題ないはずです。
もし現在の先生との相性が良くないと感じるのであれば、思い切って先生を替えることも一つの選択肢です。
良い先生に巡り合うことで、子供は一層楽しく練習に取り組むことができますからね。
練習しないからといって、すぐにやめさせないで
習い事には費用がかかるため、親はどうしても「上達」という結果を求めがちです。
しかし、子供にとっては必ずしも結果だけが重要ではないということをしっかりと理解してください。
先述しましたが、たとえ上達していなくても、習い事を楽しんでいるのであれば、その気持ちを尊重することが大切です。
無理に上達を求めることで、子供はその習い事自体を嫌いになってしまう可能性があるため、子供が習い事を楽しんでいるかどうかを見極め、応援してあげることが重要です。
親であるあなたもそうだと思いますが、自分が楽しいと思える活動であれば、自然と続ける意欲も湧いてきます。
結果や上達にこだわるのではなく、子供が習い事の中で喜びを感じられるかどうかを大切にしましょう。
また、習い事のゴールは親が決めるものではなく、子供自身が見つけるべきものです。
子供が自分で楽しみや喜びを見つけられるようになれば、たとえ厳しい環境でも我慢できるようになり、自分から進んで努力する力が養われます。
習い事の本質は、子供が自分の意志で取り組み、その過程で成長することですので、親としては、その成長を温かく見守り、サポートすることを一番大切に考えてください。
まとめ
子供が練習しない理由や習い事に対する姿勢は、親の期待と子供の意欲の違いから生じることが多いです。
無理に上達を求めるのではなく、子供が楽しんで取り組める環境を整えることが重要です。
習い事の継続や上達は、楽しさや興味を持続させることにかかっています。
子供が自分自身の意志で取り組み、その過程で成長していく姿を見守りながら、親としてできる限りのサポートをしていきましょう。
お子様のピアノを上達させるために、親が意識するべきことについては、コチラの記事で解説しています。