ショパンの蒼い音を求めて〜ハロルド・スタネーゼが日本初公演を開催

来日公演情報
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2025年8月2日(土)に、ピアニスト、ハロルド・スタネーゼのリサイタルが千葉で開催されます。

《3世紀にわたるドイツとフランスの音楽の旅》というテーマで、J.S.バッハ、ドビュッシー、ショパンなどのプログラムが並びます。

初めての日本公演に向けて、今回のプログラムに込めた思いや、ご自身の音楽観などについてお話を伺いました。

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初の日本公演を前に語る、音楽へのまなざし

「日本で初めて演奏できることは、私にとって特別な意味があります。とても楽しみにしていますし、ワクワクしています。」

初めての日本でのリサイタルを開催することになったスタネーゼさんは、率直にワクワクとした思いを伝えてくれました。

「日本の方々は、とても敬意をもって音楽に接してくださるという印象があります。それが心地よい空気を作ってくれると感じています。
何人かの日本人音楽家とも知り合いですが、時に彼らはフランス人以上に繊細かつ完璧にフランス音楽を演奏していると感じます。
聴衆についてはまだよく分かりませんが、とても興味があります。例えば、演奏中にキャンディーの包みを開ける音が聞こえるかどうかーそんな細かいことも実は重要かもしれません。」

そんなスタネーゼさんですが、日頃の練習や演奏において、最も大切にしていることはどのようなことなのかについて伺いました。

「私は、学者のようにピアノの前に座りたくありません。スタイルに関する知識は、演奏中は無意識に任せるべきだと思います。
作曲家たちは、自分の魂を楽譜という形で残しました。でも、紙とインクだけではあまりに乾いています。
私は、彼らの《人となり》に少しでも近づけるように努力しています。
例えば、ショパンは同じ曲を二度と同じようには弾かなかったと言われています。
演奏をあまりに計画しすぎると、音楽の中に《蒼い音(=偶然の美)》が生まれる余地がなくなると思うのです。」

また、朝起きたら、すぐにピアノに向かうのだというスタネーゼさん。常に音楽がそばにある感覚を語ってくれました。

「ミューズリーを食べる合間に、寝室のヤマハのアップライトピアノに触れるーそれはとても感覚的な瞬間です。
そのとき私は、まるで《世界に触れている》ような気がします。
午後は自分のアトリエに行き、そこにあるグランドピアノと《探求の旅》に出ます。
そのとき私は、自分が《研究者》になったような気分になります。」

《軽やかさ》と《深み》〜フランスとドイツ音楽の対照

さて、初めての日本公演となる今回のリサイタルのテーマは《3世紀にわたるドイツとフランスの音楽の旅》。

このテーマに対する思いについて伺いました。

「私は、自分が本当に演奏したい作品しか選びません。でも、同時にプログラムには一本の筋が必要だと思います。
特に、私は作曲家や作品について語ることも大切にしているので、時代や作曲家の個性にコントラストがあるような、幅広いプログラムにしたいと思いました。
それぞれの作品で、まったく異なる世界、異なる人間と出会うことになります。けれど、どれも《人間》なのです。」

その上で、ドイツとフランスの音楽に共通する点や、対照的な点についても解説してくれました。

「フランス音楽には軽やかさがあります。一方、ドイツの作曲家には違った深みがあります。
《ドイツ人は働くために生き、フランス人は生きるために働く》ということわざがあります。ちょっと戯画的ですが、どこか真実を突いていると思います。
その意味でも、バッハという《史上最大の作曲家》がドイツ人だったのは象徴的です。
ちなみに、ショパンは特別な存在です。彼は人生の後半をフランスで過ごした真のパリジャンですが、出自はポーランド人です。」

公演情報

ハロルド・スタネーゼ ピアノコンサート

◆日時:2025年8月2日(土) 19:00開演

◆会場:コンサートサロンALKAS(アルカス)

◆プログラム:

・ラモー:新クラウザン組曲集 第2番より抜粋

・J.S.バッハ:パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825

・ドビュッシー:プレリュード 第1集、映像 第1集より抜粋

・シューベルト:即興曲 第3番 変ト長調 D899

・ショパン:即興曲 第3番 変ト長調 Op.51

・ショパン:バラード 第3番 変イ長調 Op.47

◆チケット窓口:こちらのFormより受付中

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