田中由惟＆米滿希咲来ピアノ・デュオにインタビュー！

2月21日(金)にティアラこうとうで開催される、田中由惟さんと米滿希咲来さんによるピアノ・デュオリサイタル。

「ピアノ・デュオで奏でる“名曲の新しい表情”」というテーマの通り、今回のプログラムはオーケストラの名曲をピアノ・デュオで演奏する試みです。

今回はそんなプログラムの見どころや、お二人のことについてなど、いろいろお話を聞いてみました。

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二人の人間が一つの音楽を作り出すところが魅力
「名曲の新しい表情」に込めた想い
公演情報

二人の人間が一つの音楽を作り出すところが魅力

高校1年生の時にデュオを組み始めたという田中さんと米滿さん。

これまでの7年間の活動を振り返って印象的なことを訊いてみると、高校2年生の時に行われた、学校の室内楽オーディションのことを挙げてくれました。

「ドレスが着たい！」という想いで受けた結果、合格することができ、初めての2台ピアノに挑戦できたそうです。

米滿「二人とも初めての機会だったので、最初はなかなか上手くいかずものすごく苦戦しました。春休み中も学校に通ったり、朝早くから練習して当日はとても良い演奏ができたことが今でも思い出です。」

高校卒業時に「卒業デュオリサイタル」を開催していますが、今回は大学卒業にあたって2回目の「卒業デュオリサイタル」を開催します。

これまでの7年間も踏まえて、今一度「ピアノ・デュオの魅力とは？」とシンプルに尋ねてみました。

米滿「相手の呼吸を感じて、弾き始めるタイミングがぴったり合ったり、相手のやりたいことと自分がやりたいことが一致したり、2人の人間が一つの音楽を作り出すところに魅力があると思います。」

田中「オーケストラは指揮者を含め、たくさんの人が作る音楽ですが、ピアノ・デュオはたったの2人です。その分、それぞれの演奏者のカラーがよりクリアに表れ、さらに交わりあう、密度の濃いアンサンブルを作り出すことが出来ると思います。」

「名曲の新しい表情」に込めた想い

そんなお二人が奏でる今回のデュオリサイタルのプログラムは、ラヴェルやグリーグ、チャイコフスキーなどのオーケストラ作品が中心となります。

オーケストラ作品をピアノ・デュオで演奏するという試みの狙いについて、米滿さんはこう語ります。

米滿「普段オーケストラでの演奏をよく耳にしていると思いますが、今回それをピアノ・デュオで再現することによって、今までとは違う雰囲気を感じたり、オーケストラでは聴こえなかった裏のパートや響きを発見できると思います。
また、大人数のオーケストラと比べて、2人での演奏会は会場も小さくなりますが、より奏者との距離が近くなり、息遣いや臨場感を間近で味わうこともできると思います。」

ピアノの作品をオーケストラ版にアレンジして、より壮大なスケールでサウンドを楽しむということは、作曲家自身もよく行っていることだと思いますが、もともと大きな編成の作品をピアノ・デュオで演奏するというのは、なかなかない機会だと思います。

田中さんには、そんな演奏会ならではの楽しみ方について訊いてみました。

田中「オーケストラの演奏で聴き馴染みのある曲が多いと思うので、『この音は何の楽器だろう？』と考えて聴いていただくと面白いと思います。
いろんな楽器の音をピアノで再現することが特に難しく、どうやったらその音色に近づけられるか音の打鍵、ペダルなどを追求してきたので、その点には注目してほしいです。
また、このご時世でなかなか海外旅行ができない中、少しでも旅行気分を味わってもらいたいという思いで、それぞれの国の特色が出る代表作を選んだので、ぜひ楽しんでいただきたいです。」

この春の卒業後、田中さんは東京音楽大学院修士課程鍵盤楽器研究領域(ピアノ)に進学予定。「まだまだ音楽を深めて、そこで学んだ知識や感動を一人でも多くの人に届けていきたい」と語ってくれました。

一方の米滿さんは、東京音楽大学の研究生に一年間在籍予定で、その期間に長年の夢でもあった留学の準備をしたいと考えているそうです。

「検討中の国はメジャーな留学先ではないですが、その国の音楽が昔から好きでより深めたいと思い選びました。実現に向けてがんばっていきたいと思います」と、お二人ともこれからの将来が非常に楽しみです。

最後に、コンサートに向けて、お二人からメッセージをいただきましたのでご紹介させていただきます。

クラシックのコンサートは非日常を味わえる特別な時間です。ですが、格式が高いと感じる人や、なかなか足を踏み出せない方がいることをよく耳にします。そんな方々に少しでも興味を持って頂けるよう、ただ聴くだけではなく、曲のストーリーや魅力、想いを伝えられるようにトークも準備しました。
また、普段クラシックをよく聴かれる方も1台4手の編成で聴くことはそう多くはないのではないでしょうか？1台のピアノから生まれる数々の音色をお楽しみいただき、より音楽を好きになっていただけたら嬉しいです。
このコンサートがクラシック音楽との出会い、新たな発見の場になることを願っています。