本記事では、国立音楽大学がすごいと言われる理由をご紹介します。
また、記事の後半では、音楽大学への進学を検討されている生徒や保護者の方に向けて、正しい音大の選び方についても解説していきたいと思います。
国立音楽大学はじめ音楽大学への進学を考えている高校生やその保護者の方、また国立音楽大学に興味のある方は、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。
国立音楽大学がすごいと言われる理由
結論から言うと、国立音楽大学がすごいと言われる理由は以下の3つです。
- 日本の私立三大音楽大学と呼ばれているから
- お金持ちが多いから
- 著名な卒業生が多いから
以上の3つが、国立音楽大学がすごいと言われている理由になります!
上記について、それぞれ詳しく解説していきます。
日本の私立三大音楽大学と呼ばれているから
日本人は何かと「三大◯◯」が好きなのですが(笑)、私立の音楽大学に限定した「私立三大音楽大学」というものも存在します。
国公立を含めると当然結果は変わりますが、私立に限定した三大音楽大学は、一般的に以下の3大学が挙げられます。
- 東京音楽大学
- 国立音楽大学
- 武蔵野音楽大学
「私立の」という言葉を忘れてはいけませんが、「三大音楽大学」という枠に入っているため、国立音楽大学はすごいと言われています。
お金持ちが多いから
私立大学だからというのもありますが、国立音楽大学は他の音楽大学と比較して、学費は高い分類に入ります。
「保健の教科書」が発表した「東京6音大の学費ランキング」によると、国立音楽大学は桐朋学園大学に続いて第2位にランクインしています。
1位:桐朋学園大学 ¥2,600,000
2位:国立音楽大学 ¥2,250,000
3位:昭和音楽大学 ¥2,295,500
4位:武蔵野音楽大学 ¥2,310,000
5位:東京音楽大学 ¥2,312,000
6位:東京藝術大学 ¥1,206,020※金額は初年度納付金
保健の教科書『音大はやっぱり高い?入学金や入学後にかかる費用について紹介』2024年7月25日閲覧
上記の初年度納付金額を見て分かりますが、私立音大の初年度納付金合計金額は、約140〜260万円(国公立の場合は約82万円)と音楽之友社でも発表されています。
もちろん、大学や専攻によって金額は異なってきますが、入学した時だけでもこれだけの学費を背負わなければなりません。
ここまでであれば、一般の大学と大きな差はないと思われるかもしれませんが、音大生が特殊なのは、入学してからかかるお金が、一般の大学生とは天と地の差といえる点です。
具体的には、こんなところでお金がかかります。
- 通常の学費とは別のレッスン代(アンサンブルを組んだ時など)
- コンクールにかかる費用
- 外部のセミナー(マスタークラス等)や、音楽祭の合宿に参加する時
- 楽器のメンテナンス代
- 楽譜代
一般の大学と比較して費用が高くなる音楽大学、その中でも私立の音楽大学、さらにその中でも比較的高い国立音楽大学へ進学するのは、経済的に考えてすごいと考えられています。
著名な卒業生が多いから
演奏家やプロスポーツ選手などのプロフィールを見ると「◯◯大学卒業」と書かれますから、やっぱり我々は出身大学が気になるものです。
国立音楽大学出身の著名な卒業生では、以下の方々が挙げられます。
- 茂木大輔(オーボエ奏者)
- 石田泰尚(ヴァイオリニスト )
- 及川浩治(ピアニスト)
- 山下洋輔(ジャズピアニスト)
- 秋川雅史(声楽家)
- 福井敬(声楽家)
- 錦織健(声楽家)
- 佐藤しのぶ(声楽家)
- 錦織健(声楽家)
- 久石譲(作曲家)
- 大島ミチル(作曲家)
- 天野正道(作曲家)
- 広瀬香美(シンガーソングライター)
- 横山だいすけ(元歌のお兄さん) など
上記の方々はほんの一部で、他にもコンサートやテレビでお馴染みの名前がズラリと並びます。
彼らが学んだ国立音楽大学という観点で、すごいと言われることも多いですし、彼らの出身校で学びたいという受験生も多いようです。
音大の正しい選び方
ここまでの国立音楽大学のすごいと言われるポイントを読んで、国立音楽大学って良いかもと思えた方も多いでしょう。
ただし、国立音楽大学はすごいからと言って、安直に「国立音大を目指そう」「他はすごくなさそうだから止めよう」などと決めるのは危険です!
一般的に大学を選ぶ時は「偏差値」「学費の安さ」など、大学のネームバリューや経済的な事情、環境面で選ぶこともあるかと思いますが、音大の場合は必ず「先生との相性・先生のレベル」で選ぶようにしましょう。
なぜ、大学ではなく先生のことを重視するのかと言えば、芸術の世界というものが、国家試験のように価値を計り知る絶対の正解がないからです。
「先生のことを重視しろ」と言われても…どのような観点で見極めれば良いの?
良い先生かどうか見極めるポイントは、以下が挙げられます。
- 演奏に惹かれるか、自分の音楽感性と合っているか
- 指導方法は丁寧か
- 業界に名前が通っているか
もちろん、レベルの高い音大に行けば良い先生と出会える確率は上がるかもしれませんが、結局は自分の音楽感性と相性が合うかが大切です。
そのため、まずはオープンキャンパスやリサイタルなどを通じて「この方に音楽を教わりたい」と思える先生と出会いましょう。
とはいえ、いくら先生の演奏を聴いて「この先生に教わりたい!」と思えたとしても、いざ教わってみたら指導が丁寧ではないなど、指導法に難ありというケースも当然あります。
実際に師事した先輩から話を聞くなどして、指導面での評価もしっかり知っておきましょう。
また、「プロの音楽家として生活していきたい」というのであれば、特に若手の頃は先生の力を借りなければいけないケースが多いです。
その際に、先生がこの業界で名前の通っている人かという面も重視しましょう。要は、政治力があるかです。
例えば、オケのエキストラなどで仕事を紹介してもらえるか、コンクールの審査員を務めており推薦力があるかどうかでも、自分自身の将来に大きく影響してきます。
つまり、音楽の感性が合うかどうかだけでなく、指導レベルの高さや政治力の強さも含めて大学を選ぶことが大切なのです。
音楽の場合は特に、偏差値や学費の安さなど人気ランキングで進路を決めるのではなく、まずは師事したい先生を選ぶようにましょう。
まとめ
国立大学音楽大学がすごいと言われる理由は、以下の3つが挙げられます。
- 日本の私立三大音楽大学と呼ばれているから
- お金持ちが多いから
- 著名な卒業生が多いから
音楽大学は一般的な大学より費用は高くなりますし、卒業生もよく知れた音楽家が挙げられることが多いですので、この2点に関しては他の音楽大学でも共通かなと思います。
一方で、東京音大・武蔵野音大と合わせた「私立三大音楽大学」に入っている点で、国立音楽大学はすごいという印象が際立っているように感じられます。
とはいえ、大切なことはネームバリューで大学を選ぶのではなく、以下のポイントに沿って、師事したい先生がいる大学かを重視しましょう。
- 演奏に惹かれるか、自分の感性と合っているか
- 指導方法は丁寧か
- 業界に名前が通っているか
まずは、演奏を聴いて純粋に「この方に学びたい」と思える先生と出会いましょう。
ただ音楽を学ぶだけであれば、それだけの感性で十分ですが、プロの音楽家として食べていきたいというのであれば、先生自身の指導力や政治力もしっかりとリサーチした上で進路を選ぶことをオススメします。