【2024年最新】音大受験に必要なピアノのレベルは高くなった?

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音大を受験するにあたっては、ピアノ科に限らずどの学科でも、副科としてピアノの実技試験が入試科目に含まれます。

副科として受けるピアノには、どれくらいの技術が必要なのか、どれくらい弾けないと合格できないのかについて解説したいと思います。

専攻楽器とは別に、副科としてピアノ実技が試験科目にあって困っている方、実際の出題傾向と試験までの取り組み方の参考にしてください。

この記事では、ピアノ科以外を志望している受験生を対象に、受験で必要となるピアノのレベルを解説します。

この記事を書いた人
オケミン(管理人)

中高吹奏楽部、大学オケに所属し、現在は社会人オケで活動中。
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2024年の音大受験に必要なピアノのレベルは?

ヴァイオリン科にせよ、フルート科にせよ、ピアノが専門楽器でないどの学科でも、受験科目にはピアノの実技が含まれてきます。

「ピアノなんて本格的に練習したことないけれど、音大受験の科目にある以上、かなりの技術が求められるのでは?」と思ってしまいますよね。

なぜ専攻楽器ではないのに、ピアノが弾けないといけないのか

僕はヴァイオリンを専門に学びたいのに、なぜピアノまで弾けないといけないの?

副科としてピアノを受験する多くの人がこう思われるかと思いますので、そもそもなぜピアノが受験科目にあるのかについて整理しておきましょう。

結論として、専攻楽器でもないのにピアノ実技を求める理由は以下の3点があると思います。

  • 和音や複数の旋律による、音楽の成り立ちを理解するため
  • 音楽様式の歴史を学ぶため
  • 専攻楽器のピアノ伴奏を弾く・聴く際の役に立つため

専攻楽器がヴァイオリンやフルートなど単旋律楽器の場合、その楽器一つでは和音や複数旋律による音楽は体験することが出来ません。

室内楽やオーケストラ、あるいは座学では、和音や複数旋律による曲の成り立ちを学ぶことが出来ますが、一人の演奏でこれらを実現できるのがピアノという楽器であり、やはり音楽家を目指す以上最低限弾けることが求められます。

また、ピアノを通じて音楽様式の歴史を学ぶことができる他、友人のリサイタルのピアノ伴奏をする際にも活かせますし、一方で自分がリサイタルをするにあたっても、伴奏であるピアノの旋律や和音を理解できれば、自分の楽器のスキルにも自然と繋がっていくのです。

「なぜ、わざわざピアノの練習までしないといけないんだよ」と思っている受験生は、なぜピアノが受験科目にあるのか、上記の理由を知っておけば、自ずと音楽を生業にしようとしている自分の将来において必要なスキルだからだと分かると思います。

okemin
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専攻楽器さえ上手く弾ければ良いというのであれば、そもそも高い学費を払って音大に行く必要ないのでは?と思います。音楽を専門に学ぶからこそ、こういった背景を理解することも非常に大切です。

例年、副科では高いピアノ技術は求められない

結論として、ピアノを専門楽器とするピアノ科(ピアノ演奏家コース)を除いた、ピアノを副科とする楽器においては、ピアノ科と同等の高い技術を求められることはありません。

当たり前のことですが、専門楽器(ヴァイオリンを受験するならヴァイオリン)の技術は、高度なものを求められますので、受験にあたってはピアノの練習に必死になりすぎず、専門楽器の練習に注力するようにしましょう。

そんなに弾けなくても大丈夫と言われても、実際どれくらい弾ければ良いの…?

というレベル感についてですが、一番のポイントは課題曲を暗譜で弾くことが、必要なレベルの物差しと言えるでしょう。

志望する大学の入試要項が公開されたら、ピアノ実技の課題曲を確認しましょう。

正直、他の曲が全く弾けなくても、課題曲さえ弾けてしまえば合格できるかもしれませんが、先述したように、音楽を専門に学び、将来も音楽を生業にするつもりであれば、基礎からしっかり練習するようにしましょう。

ただし、「もう受験まで数ヶ月しかない!」という切羽つまった状況であれば、とにかく課題曲を必死こいて、暗譜で弾けるレベルまで到達してしまいましょう(それまで何してたの?というのが正直なところですが…)。

okemin
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プロの音楽家は、与えられた曲さえ弾ければ良いという気持ちでやることはありません。とりあえず課題曲だけ練習する“その場しのぎな人”は、果たして音楽家として食べていけるでしょうか。

2024年のピアノの試験レベル傾向は?

気になる2024年の音大受験のピアノ実技(副科)ですが、例年と同じく、高い技術力が求められる課題曲が提示されることはありませんので、ご安心ください。

倍率的に、そこそこ弾けた程度でも合格できるのかな…?

ここ数年、音大受験の志願者数は減少傾向にあり、倍率も低くなっている傾向があります。

東洋経済の記事によると、音大の学生数はここ数年減少の一途で、多くの音大が定員減→定員割れ→定員減→・・・の負のスパイラル状態にあると言います。

音楽関係学科の学生数は、1990(平成2)年度約2万2000人、2000(平成12)年度約2万3000人と、この10年はほぼ横ばいでしたが、7年後の2007(平成19)年度に2万人を割り込み、2020(令和2)年度には、約1万6000人と、この20年で3割以上も減少してしまいました。

東洋経済ONLINE「音楽大学がここまで凋落してしまった致命的弱点」2023年8月8日閲覧 https://toyokeizai.net/articles/-/596688

国公立は以前高めですが、私立に関しては倍率1倍の学科がほとんどですので、全く手も足も出ないような結果でない限り、副科であるピアノ実技の出来が悪いだけで落とされることは滅多にありませんので、気負いすぎずに練習に励んでください。

okemin
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副科の場合、ピアノはそれなりに弾けてさえいれば申し分ないと判定されますので、演奏の表現力なども基本的に求められることはありません。

ただし例外が、作曲家や指揮科。これらの学科は、ピアノは主でないようで立派な主ですので、課題曲も高い技術力や理解力の必要な曲が提示されますし、忠実かつ表現も高いレベルが求められます(作曲家や指揮科を受験する人で、ピアノができない人はほぼいないと思いますが。)

ピアノのレッスンを受けるべきかについて

副科のピアノ受験には高いレベルは求められませんが、受験するからにはピアノのレッスンを受けたほうが良いのか迷うこともあると思います。

結論としては、絶対に受けるべきです。

副科としてピアノを受験する場合、多くの学生は数ヶ月前から短期間で集中して仕上げると言われていますが、独学ではなく夏期講習などの集中レッスンを受講する人がほとんどです。

課題曲の集中特訓はもちろん、音大受験の攻略法なども伝授してもらえる可能性もありますし、個人的に一番のメリットは「人前でピアノを弾く練習になる」ことだと思います。

楽器をされている人ならよく分かるかと思いますが、ただ「楽器ができる」と言っても、その場面によってレベルは大きく変わります。

  • 部屋で、一人で弾いているだけ(Lv.1)
  • レッスンで、先生の前で弾く(Lv.2)
  • コンクールや発表会で、多くの人の前で弾く(Lv.3)

ピアノに限らず専攻する楽器にも言えることですが、音大受験に臨むのであれば、Lv.3の人前で堂々と弾ける技術とメンタルが求められます。

つまり、独学でさらっと弾けた程度で満足していたら、受験本番で緊張して全く弾けなくなりますので、レッスンを受けて先生や他の受講生の前で弾けるくらいには絶対なっておいたほうが良いです。

まとめ

音大受験で副科としてピアノを受験するのに必要なレベルについて解説してきました。

結論としては、2024年も例年と同じく高い技術力は求められず、提示された課題曲を暗譜で弾ける程度のレベルであれば、問題なくパスできると思います。

ただし、一夜漬けのようにその場しのぎで課題曲だけ練習するというやり方は、音楽を生業にしようとしている人には絶対にやってほしくないことです。

これは社会人の研修でも教わることですが、与えられたことに対して「なぜそれをやる必要があるのか」背景を理解して作業を進めることが非常に大切です。

なぜ専攻楽器とは別に、わざわざピアノの実技が科目としてあるのか、その理由をしっかりと理解して臨めば、音楽家となった自分の将来において必要なスキルとなる気持ちで練習に励めると思います。

また、当たり前ですが、当日は試験官の前で演奏することになりますので、一人で練習するだけでなく、レッスンを受講して講師や他の受講生、あるいは家族や友人の前で披露する経験も、専攻楽器と併せて積んでおいたほうが合格の確率は高まると思います。

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