「オーボエは難しい」
吹奏楽やオーケストラの経験がある方は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
オーボエは「世界一難しい木管楽器」としてギネス認定されています。
本記事では、オーボエが難しいと言われている理由や、効果的な練習方法をまとめました。
部活の楽器決めなどで「オーボエに決まったけど大丈夫かな?」と不安に感じている方や、オーボエ初心者の方にぜひ参考にしていただきたいです。
オーボエってどんな楽器?
オーボエは木管楽器に分類され、ダブルリードを使用します。2枚のリードを振動させることで音が鳴る仕組みです。
暖かく、豊かで、美しい音色が魅力のオーボエは曲中にメロディーやソロが多く割り振られ、花形楽器として知られています。
「白鳥の湖」「ダッタン人の踊り」などのメロディーが有名で、普段クラシック音楽に馴染みがない方も「聴いたことある、、!」となるはずです。
また、クラリネットによく似た見た目をしているのも特徴です。
オーボエはなぜ難しいと言われているのか
オーボエは、なぜギネスに認定されるほど難しい楽器だと言われているのでしょうか?
具体的な理由として、以下の4つが挙げられます。
- ダブルリード楽器だから
- 繊細なリードの扱いが必要だから
- 運指が複雑だから
- 音程を安定させるのが難しいから
ダブルリード楽器だから
オーボエはダブルリード楽器で、2枚のリードが重なり合って振動することで音を出す仕組みです。
ダブルリードは息のコントロールやリードの調節がとても重要で、リードの状態や演奏者の技術によって音色が大きく変わります。
繊細なリードの扱いが必要だから
オーボエのリードは一つひとつ手作りされており、とても繊細です。
リードの厚さ、開き具合、長さなど0.1ミリ単位の変化でも音色が変わり、上級者~プロレベルの奏者は自分でリードを作ったり、削って調節したりする人もいます。
また、温度や湿度の変化にも変化にも敏感で、環境の変化に伴い、音色や吹き心地が大きく変わります。
リードの見極めはとても難しく、長年の経験が必要ですし、リードは消耗品であるため、良いリードを見つけてもずっと使えるわけではありません。
そのため、常に新たなリードを探す必要があります。
運指が複雑だから
そもそもオーボエの楽器はかなり複雑な作りになっていて、他の木管楽器に比べてキーが多いです。
40個以上のキーがあり、使い分けながら音を出します。
一つの音に複数の運指が存在したり、「クロスフィンガリング」という特殊な指使いが必要になったりする場合があり、さらに複雑さが増しています。
そのため、他の楽器からオーボエに転向する場合も、新たな運指を学ぶ必要があります。
音程を安定させるのが難しいから
オーボエは息を吹き込む管が非常に細い作りになっていて、音を出すには口周りの筋力が必要です。
安定した息のコントロールと正しいアンブシュアを持続するのが大変なため、初心者が音階を吹くのはかなり難しいです。
また、リードの隙間は約1ミリで狭い部分に息を吹き込むため、息が余ってしまいます。
管楽器は息が足りなくて苦しいという現象が起こりがちですが、オーボエは息があまり体内に余分な空気がたまることで苦しくなってしまいます。
そのためブレスをするときは、一度息を吐き出してから新たな空気を吸わなければならないので、他の管楽器奏者よりブレスに時間がかかることにもなります。
オーボエのおすすめ練習方法5選
オーボエを始めたけど、何から練習すればいいの?
効果的な練習方法が知りたい!
そんな方へ、おすすめの練習方法を以下にまとめました。
- まずはリードのみで
- ロングトーン
- タンギング
- スケール
- ビブラート
まずはリードのみで
まずはリードだけで吹いてみましょう。そもそもリードが鳴らなければ音を出すことができません。
逆に、リードが鳴ればオーボエ本体に付けたときも音が出ます。
リードの基準音となるCの音で、ふらつかないロングトーンができるように練習しましょう。
できる人はリードから手を離して練習すると、口周りの筋力を鍛えることに繋がります。
大切なのはしっかりと息を吹き込み、数秒間音を出し続けることです。
ロングトーン
リードを楽器に付けて、ロングトーンをします。
ロングトーンは、管楽器全般に共通する重要な練習法で、ひとつの音程を長く安定して出し続けます。
一見とても簡単そうに見えますが、やってみると難しいです。
音によって「こもりやすい」「開きやすい」などの特性があるため、ただなんとなく音を出すのではなく、自分の音をよく聴いて、どんな音を出したいかイメージしながら練習するのがおすすめです。
基本的なロングトーンのやり方は、♩=60で「8拍吹く→4拍休み」を繰り返します。
8拍できるようになったら「12拍吹く→4拍休み」にしましょう。
ただ長く音を出せば良いというわけではなく、大切なのは音の太さ、音色、安定感です。
タンギング
タンギングとは舌を使って音を区切ったり、切り替えたりする奏法です。
タンギングは急にできるようになるものではないので、日々コツコツと練習することが大切です。
高度なタンギング技術を要する楽曲も多くあるため、習得すると演奏の幅が広がります。
まずは♩=100程度のテンポから練習を始めましょう。
4拍ごとに「4分音符→8分音符→16分音符→32分音符」と、少しずつテンポを速くしていきます。
できるようになったらテンポを上げていきましょう。
スケール
スケールとは、音階練習のことで簡単に言えば「ドレミファソラシド」の並びを指します。
できれば全調の練習をするのが理想ですが、初心者の方にはかなりハードルが高いので、1日に2~3つずつ進めていくと良いでしょう。
最初は確実にできるテンポから、慣れたら少しずつテンポを速くしていきましょう。
スケール練習は、指回しをスムーズにするだけでなく、音程感を養うこともできます。
すべての音を同じような音量や音色で出すことを意識しましょう。
スケールの音階がそのまま使われている楽曲も多く、スケールができるようになると曲の幅が広がります。
ビブラート
ビブラートとは、音の強さや音程を変化させることで演奏をより豊かに表現する奏法です。
まずはロングトーンがある程度のレベルまで習得できていることが前提となります。
ビブラートの練習方法は、♩=60程のテンポでビブラートの波を作ります。この時、腹筋を使って音の高さや太さを変えることを意識しましょう。
テンポに合わせて練習することでビブラートのコントロールができるようになります。
初心者の方は、まずはロングトーンを練習し、ある程度のレベルまで達した後に、ビブラートも習得できると表現の幅が広がります。
何より基礎練習が大切!
オーボエのみならず、管楽器や弦楽器、ピアノなどすべての楽器に共通することは「基礎練習が大切」ということです。
基礎ができていないと、曲の練習をしてもなかなか上達しません。
いきなり曲の練習に入らず、十分な基礎練習をする時間を確保しましょう。
中でも最も大切なのは「ロングトーン」。どうしても基礎練習をする時間がない、という日でもロングトーンだけはしっかりと行うことをおすすめします。
オーボエは花形楽器!美しい音色で聴く人を魅了しよう
オーボエが難しいと言われている理由や練習方法を解説しました。
オーボエは「世界一難しい木管楽器」としてギネス認定されるほど難しい楽器で、初心者の方が習得するにはかなりの時間と努力を必要とします。
しかし、難しい分高い壁を乗り越え上手く演奏できたときの嬉しさや達成感は格別です。
クラシック音楽の中ではソロパートも多く花形楽器と言われています。挑戦しがいのある楽器でオーボエ奏者に憧れる人も多いです。
オーボエならではの美しく暖かい音色は、他の楽器では代替できない魅力がありますよ!