クラシック音楽の名曲である、フランク「交響曲」の名盤を3つご紹介させていただきます。
言わずとしれたフランクの名曲ですが、それ故にこの曲のCDは、王道からレア物まで数多く存在します。
今回は、その中でも「とりあえずこれを買っておけば間違いない!」という王道の名盤をセレクトしました。
個性の強い演奏や、独特の解釈がされた演奏ももちろん聴いていて面白いですが、やはりその楽しみを理解するには、誰もが名盤だと言えるものを聴かないと、その奥深さは体感できないと思います。
フランク「交響曲」のCDを買いたいけれど、どれが良いのか分からない…
という、これから初めて名盤を選びたいという方向けの内容となっています。
名盤を数多く紹介しているサイトだと、結局どれが良いのか分からないことが多いため、このサイトでは、まずこれを買うべきというディスクを3点まで厳選しています。
まず買うべき名盤3選
1.モントゥー(指揮)/シカゴ交響楽団
オススメ度 ★★★★★
フランスの名匠・モントゥーが、シカゴ交響楽団と唯一録音した格調高い名演。
- シカゴ響ならではのダイナミクスさも存分に活かした、聴き応えのある演奏が特徴。
- 特に第3楽章ラストの勇ましさは秀逸で、シカゴ響にしか出せないサウンドを感じさせる。
- テンポは全体を通して比較的抑えられているが、その分決めるポイントでの迫力がずば抜けている。
- カップリングされたペトルーシュカも名演だが、こんなディスクが1,000円未満で買えてしまうありがたさ。
フランス人指揮者らしさも感じさせる一枚で人気の高いモントゥー盤。カップリングのペトルーシュカも、これまたこの曲の名盤に挙げられます。
2.カラヤン(指揮)/パリ管弦楽団
オススメ度 ★★★★☆
初代音楽監督、シャルル・ミュンシュの急逝を受け、1969年にパリ管の音楽顧問に就任したカラヤンとパリ管の初録音。
- 徹底させたオーケストレーションと、聴きどころを隙なく響かせるカラヤンらしさを感じさせる。
- パリ管の艶のある響きも引き出している。このコンビでの録音は数枚しかないものの、どれも豪華に響かせている。
- 重低音の響きはどうしてもベルリン・フィルより劣るように感じられ、一部では物足りなさを感じる。
- 録音の音質があまりよろしくないのが残念。
カラヤンの、この曲唯一の録音です。後にベルリン・フィルで録音しなかったということは、あまりこの曲にときめかなかったのかな〜と感じます。
3.オーマンディ(指揮)/フィラデルフィア管弦楽団
オススメ度 ★★★★☆
鬱蒼としたフランクならではのオーケストレーションの魅力を、フィラデルフィア管の明るめの響きで描き出している点が魅力。
- テンポを自在に動かせて、華麗な響きを引き出しているのが特徴。
- 重厚感をもってたっぷり歌わせており、キレより大らかさが重視された演奏に仕上がっている。
- 全体的に明るさを大切にした演奏で、特にクライマックスは一番の聴き応えを感じる。
- 録音の音質に古さを感じられるのがもったいない。
オーマンディ盤は、彼ならではの独自の解釈も含まれており、また新しいフランクを聴ける一枚に思えます。
まとめ
- Qフランク:交響曲の名盤は?
- A
- モントゥー(指揮)/シカゴ交響楽団
- カラヤン(指揮)/パリ管弦楽団
- オーマンディ(指揮)/フィラデルフィア管弦楽団
この曲の名盤として一番推奨したいのがモントゥー盤になります。
指揮者として熟してきたフランス人・モントゥーが響かせるフランクの解釈に、ゴリゴリ鳴らすシカゴ響の迫力さも絡んで、抜群のコンビだと感じさせられます。
モントゥーにとってシカゴ響と唯一録音したのが本作ですが、一方のカラヤン盤も、彼のフランク唯一の録音であり、数少ないパリ管との録音という、何かと貴重な録音が多い作品です。