クラシック音楽の名曲である、マーラー「交響曲第5番」の名盤を3つご紹介させていただきます。
言わずとしれたマーラーの名曲ですが、それ故にこの曲のCDは、王道からレア物まで数多く存在します。
今回は、その中でも「とりあえずこれを買っておけば間違いない!」という王道の名盤をセレクトしました。
個性の強い演奏や、独特の解釈がされた演奏ももちろん聴いていて面白いですが、やはりその楽しみを理解するには、誰もが名盤だと言えるものを聴かないと、その奥深さは体感できないと思います。
マーラー「交響曲第5番」のCDを買いたいけれど、どれが良いのか分からない…
という、これから初めて名盤を選びたいという方向けの内容となっています。
名盤を数多く紹介しているサイトだと、結局どれが良いのか分からないことが多いため、このサイトでは、まずこれを買うべきというディスクを3点まで厳選しています。
まず買うべき名盤3選
1.カラヤン(指揮)/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
オススメ度 ★★★★★
カラヤンのマーラー録音第1弾となったアルバム。
- 一周回って戻ってくるのがカラヤン盤の凄さ。非の打ち所がない完璧な名演。
- 1973年にイエス・キリスト教会で録音された本作は、昨今では録りにくいふくよかな響きが特徴で、特に第4楽章は天に召されるような心地よさ。
- 全てを通してカラヤンの美学が追求されており、アダージェットの神秘さからのフィナーレの迫力はこれ以上ない素晴らしさ。
- こってりした感じもなく、比較的あっさりと進行する分、カラヤン×ベルリン・フィルの美しさがたっぷり味わえる。
- マーラーのヒステリックな面と合致した時、ゾッとする感覚を覚えるのがカラヤン盤。
この曲の名盤として人気が高いのは、やはりカラヤン盤。カラヤン初めてのマーラー録音となった本作は、大きな話題を集めました。
2.ショルティ(指揮)/シカゴ交響楽団
オススメ度 ★★★★★
ショルティ×シカゴ交響楽団のコンビとして最初の録音であり、彼らの黄金時代の始まりを告げる一作となった名演。
- 派手さは少ないものの、重厚感ある歌いっぷりでマーラーの真髄を極めたかのような名演。
- 最後まで堂々と、重戦車のように貫くシカゴ交響楽団の演奏が魅力的。
- スピード感とメリハリのある演奏だとショルティ盤がベストだが、第4楽章が少しテンポ速めなのが勿体ない。
- ショルティという指揮者は、冷淡そうに見えて実は情感ある熱い男だったのだなと感じる。
ショルティ×シカゴ交響楽団という伝説のコンビの録音はここから始まりました。重厚感あるシカゴ交響楽団らしいサウンドは、まさにマーラーにピッタリです。
3.バルビローリ(指揮)/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
オススメ度 ★★★★☆
バルビローリの力を入れず優しさを追求した演奏は、聴いていて心がやすらぎます。
- 控えめで落ち着いた演奏が特徴的。どこかベートーヴェンやブラームスを聴いているような感覚になる。
- ややテンポを抑えた演奏のため、ゆったりと感情豊かな表現がされた演奏。昨今ではあまり聴けない優しさがある。
- 第4楽章は他を寄せ付けない、心に染み渡るような感動もの。これを聴くと他は聴けないかも。
- 録音が他より抜群に良く、各楽器の音が鮮明に聴こえるためポイントが高い。
バルビローリ盤はとにかく優しさを追求した演奏で、スッと心が洗われる演奏。この曲を聴き飽きた人に是非聴いてほしい一枚です。
まとめ
- Qマーラー:交響曲第5番の名盤は?
- A
- カラヤン(指揮)/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- ショルティ(指揮)/シカゴ交響楽団
- バルビローリ(指揮)/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
この曲の名盤は、カラヤン盤とショルティ盤が有名ですので、まずはこの2枚を買うことをオススメします。
「交響曲第5番」と言えばベートーヴェンと並んでマーラーと言われることが多い人気曲ですが、第4楽章のアダージェット、そして第5楽章の重厚ある迫力を存分に堪能できるのがこの2枚です。
一方のバルビローリ盤は、他にはないような落ち着きっぷりで、終始盛り上げずとことん静かな美を追求した一枚です。だからこそ、アダージェットだけで言えば、バルビローリ盤に勝るものはないかなと思います。