クラシック音楽の名曲である、チャイコフスキー「交響曲第5番」の名盤を3つご紹介させていただきます。
言わずとしれたチャイコフスキーの名曲ですが、それ故にこの曲のCDは、王道からレア物まで数多く存在します。
今回は、その中でも「とりあえずこれを買っておけば間違いない!」という王道の名盤をセレクトしました。
個性の強い演奏や、独特の解釈がされた演奏ももちろん聴いていて面白いですが、やはりその楽しみを理解するには、誰もが名盤だと言えるものを聴かないと、その奥深さは体感できないと思います。

チャイコフスキー「交響曲第5番」のCDを買いたいけれど、どれが良いのか分からない…
という、これから初めて名盤を選びたいという方向けの内容となっています。

名盤を数多く紹介しているサイトだと、結局どれが良いのか分からないことが多いため、このサイトでは、まずこれを買うべきというディスクを3点まで厳選しています。
まず買うべき名盤3選
1.ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー
オススメ度 ★★★★★
ロシアの伝説の巨匠エフゲニー・ムラヴィンスキーが、ドイツ・グラモフォンに残したチャイコフスキーの名盤。
- 古い録音だが、まったく古さを感じさせない。
- 弦の美しさと機能性が圧巻。
- 綿密な指揮者のムラヴィンスキーに、まさしくコントロールされたような演奏。
- [pp]は繊細に細く冷たく、一方で[ff]は鬼気迫る大迫力でゾッとする演奏。
- 満足感からくる心地よさで、心底リフレッシュされる。

チャイコフスキーの交響曲を聴くなら、超王道はムラヴィンスキー×レニングラードフィルです。
2.カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
オススメ度 ★★★★☆
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による、1984年録音盤。
- この録音が収録された時期は、カラヤンのキャリアにおいて一番の絶頂期。
- 数あるカラヤン盤のベストであり、この曲に関しては最高の名盤。
- 全てにおいて完璧だが、迫力の面で言えばティンパ二が圧倒的に素晴らしい。
- 録音の質が悪く、ノイズが掛かったような感じ。その辺がマイナス。

カラヤン盤は多数存在しますが、その中でもカラヤンが絶頂だった時のこの録音が、一番の名盤と言えるでしょう。
3.カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
オススメ度 ★★★★☆
壮年期のカラヤン指揮、ベルリン・フィルの覇気溢れる瑞々しい演奏。
- ベルリン・フィルがカラヤンの指揮で、これほどまでに素晴らしいチャイコフスキー5番を奏でたというのは、ある意味ムラヴィンスキーのレニングラードフィルよりも凄いこと。
- ムラヴィンスキーがチャイコフスキーを大得意としている中でのカラヤンの指揮は、見事と言わざるを得ない。
- 2楽章のピチカートをアルペジオ風にしてる点、クラリネットの絡みの点などは、まさしくカラヤン節が全開に感じられる。
- 管楽器と弦楽器の織り成す迫力と、優雅な美しさと人生観さえ感じさせてくれる最高の演奏。

同じくカラヤン盤の中でも知られた名盤。前者のウィーン・フィルと比べ、やはりベルリン・フィルのほうがサウンド的には迫力があります。
まとめ
- Qチャイコフスキー:交響曲第5番の名盤は?
- A
- ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー
- カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
「交響曲第5番」に限らず、チャイコフスキーを聴くならば、ムラヴィンスキー指揮/レニングラードフィルを聴くのが間違いないです。
緻密なまでに統率され、圧巻のボリュームで奏でられるサウンドは大迫力。
一方で、「チャイコフスキーといえば、ムラヴィンスキー」が確立された中で対抗したカラヤン指揮の演奏も外せません。
こちらはベルリン・フィル、ウィーン・フィルというヨーロッパを代表するオーケストラでそれぞれ録音していますが、いずれもカラヤンの絶頂期の録音として知られています。
ムラヴィンスキーの緻密さとカラヤンの緻密さの違いも楽しむことができると思います。