ピアニスト、リヒテルの名盤を3つご紹介させていただきます。
言わずとしれた世界を代表するピアニスト、リヒテル。彼の残したCDは、王道からレア物まで数多く存在します。
今回は、その中でも「とりあえずこれを買っておけば間違いない!」という王道の名盤をセレクトしました。
個性の強い演奏や、独特の解釈がされた演奏ももちろん聴いていて面白いですが、やはりその楽しみを理解するには、誰もが名盤だと言えるものを聴かないと、その奥深さは体感できないと思います。
リヒテルのCDを買いたいけれど、どれが良いのか分からない…
という、これから初めて名盤を選びたいという方向けの内容となっています。
名盤を数多く紹介しているサイトだと、結局どれが良いのか分からないことが多いため、このサイトでは、まずこれを買うべきというディスクを3点まで厳選しています。
まず買うべき名盤3選
1.チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番
オススメ度 ★★★★★
カラヤン(指揮)ウィーン交響楽団との共演。巨匠・リヒテルが世界中にインパクトを与えた不滅の名盤。
- チャイコフスキーの遺した力強い和音を、これでもかと力強く演奏するリヒテルの解釈に納得。
- カラヤン率いるオケがガンガン鳴らし、リヒテルも真っ向から立ち向かうような熱演。
- 情熱的でありながらも、弱音部は繊細な音で丁寧に奏でられている。
- スケールの大きさが感じられる迫力ある演奏で爽快な気分になる。
- 聴かせたいポイントを明確に示しているような演奏で、この曲を聞き慣れた人にも新たな発見を見出してくれる演奏。
カップリングのラフマニノフも含め、情熱的な名演として知られています。この曲の持つ新たな可能性も引き出した、カラヤンとのコンビによる熱演です。
2.グリーグ/ピアノ協奏曲
オススメ度 ★★★★☆
マタチッチ(指揮)モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団との共演。リヒテルの個性が遺憾なく発揮された録音。
- ダイナミクスが大きく、大波に揺られるような多彩な表現力に圧巻の一言。
- ピアノもオーケストラものびのび自由に演奏している感じがあるが、要所要所の締めるポイントでしっかり合うのが気持ち良い。
- 時折冷たく燃え上がるような北欧の情景を感じさせる、冷静な演奏もするあたりがリヒテルらしい。
- ややオーケストラが前のめりとなり「もう少しピアノが聴こえてほしい」と思ってしまうポイントがある。
リヒテルにしかできない多彩な表現力が楽しめるこの一枚は、彼のディスクの中でも人気の一枚です。
3.J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集全巻
オススメ度 ★★★★☆
リヒテルのピアニストとして、人間としての巨大さを思い知らされる演奏。
- リヒテルの豪快さと繊細さが表れた、バッハ平均律の名盤中の名盤。
- 狂おしい、でも愛おしいほど孤独を感じるかのような、リヒテルの世界観。
- スタジオ録音だけでなく、教会で録音された曲は、これまでに味わったことのない響きを楽しめ、偉大さを感じる。
- ゆったりとしたテンポで残響も大きいため、荘厳な雰囲気を感じる。
ピアノ曲だけでなく、バッハの音楽でも高い評価を得ているのがリヒテル。特にこの平均律は、横に並ぶものはいないとも呼ばれる名盤です。
まとめ
- Qリヒテルの名盤は?
- A
- チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番
- グリーグ/ピアノ協奏曲
- J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集全巻
リヒテルの演奏の特徴としては、熱量込めて豪快に弾きつつも、繊細さが求められるところは冷静さを保って弾くというバランスの良さがあります。
今回紹介した3枚は、いずれも情熱や壮大さの大きい名曲ですが、いずれもリヒテルらしい繊細さが大変よく表れており、彼のディスクの中でも名盤として挙げられる3枚です。
他のディスクと比較して聴いてみると、より彼の演奏の特徴がはっきりと聴こえてくると思います。