クラシック音楽の名曲である、ストラヴィンスキー「春の祭典」の名盤を3つご紹介させていただきます。
言わずとしれたストラヴィンスキーの名曲ですが、それ故にこの曲のCDは、王道からレア物まで数多く存在します。
今回は、その中でも「とりあえずこれを買っておけば間違いない!」という王道の名盤をセレクトしました。
個性の強い演奏や、独特の解釈がされた演奏ももちろん聴いていて面白いですが、やはりその楽しみを理解するには、誰もが名盤だと言えるものを聴かないと、その奥深さは体感できないと思います。
ストラヴィンスキー「春の祭典」のCDを買いたいけれど、どれが良いのか分からない…
という、これから初めて名盤を選びたいという方向けの内容となっています。
名盤を数多く紹介しているサイトだと、結局どれが良いのか分からないことが多いため、このサイトでは、まずこれを買うべきというディスクを3点まで厳選しています。
まず買うべき名盤3選
1.カラヤン(指揮)/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
オススメ度 ★★★★★
カラヤンが1960年代にベルリン・フィルを率いて録音した、緊張感に満ちた演奏。
- ストラヴィンスキーが批判した曰く付きの演奏だが、この曲の名盤としては人気が高い一枚。
- ストラヴィンスキーの納得行かなかった一番のポイントは「綺麗にまとめすぎている」点であると思われるが、そこがカラヤン盤の特徴であり、万人に支持される点である。
- この曲特有の変拍子を、良くも悪くも感じさせない流れるような音楽が魅力的。
- ベルリン・フィルの個性と、それを凌駕しようとするカラヤンのぶつかりあいがこの曲の中で起こると、まさに脅威の世界だと感じる。
- 初演は観客が席を立って去っていったが、この曲は美しさが勝り最後まで座って聴きたくなるだろう(それがストラヴィンスキーの気に食わないところか)。
作曲者のストラヴィンスキーがカラヤン盤を批判したことは有名な話ですが、それでも彼にしか生み出せない完璧な美しさは、多くの人に受け入れられています。
2.バーンスタイン(指揮)/ロンドン交響楽団
オススメ度 ★★★★★
曲を知り尽くした者にしか持ちえない、作品に内包されるエネルギーを解き放つ名演。
- これでもかとオケを爆発させるかのように演奏させつつも、内包的に丁寧にまとめ上げた、ただただ爽快でありながらドラマティックな演奏。
- この曲がもつ形にハマらない複合体を、ハツラツとバラまきながらも一つの集合体に綺麗にまとめあげるバーンスタインの凄さが際立っている。
- ロンドン交響楽団の演奏も、鋭さと彩られた鮮やかさのコントラストが非常に印象的で、オケの実力を遺憾なく発揮している。
- この当時の録音とは思えないほど音質が良いのも嬉しい。
- 演奏だけでなく、ジャケットもなかなかの個性を発揮。見ても聴いても、記憶から消し去ることができない名演。
ジャケットで全てもっていかれそうですが(笑)、バーンスタイン盤はストラヴィンスキーの狙う強烈さだけでなく、美的にまとめてしまう凄さがあります。
3.ショルティ(指揮)/シカゴ交響楽団
オススメ度 ★★★★☆
ショルティの研ぎ澄まされたバランス感覚と、ヴィルトゥオーソ集団のシカゴ響による圧倒的な演奏。
- ショルティ×シカゴ響の黄金期で、彼らの醍醐味がこれでもかと詰まった名演。
- 「音楽はスポーツだ」と言わしめるような演奏で、聴いているだけで強烈な情景が浮かんでくるよう。
- この曲の持つ独特なリズム感による爆発力は、このコンビにあるとも思えるくらい最高にマッチしている。
- とにかく迫力が最高に突き進んでいるため、奥深さを問われると少々物足りないか。
この曲のような強烈さを求められたら、ショルティ×シカゴ響を聴かずにはいられない!このコンビにしかできない最強の破壊力演奏!
まとめ
- Qストラヴィンスキー:春の祭典の名盤は?
- A
- カラヤン(指揮)/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- バーンスタイン(指揮)/ロンドン交響楽団
- ショルティ(指揮)/シカゴ交響楽団
泣く子も黙る「ハルサイ」を聴くならば、これらの3点がオススメです。
ストラヴィンスキーに批判されながらも根強い人気があるカラヤン盤、強烈さを出しながらも美しくまとめあげたバーンスタイン盤、破壊力抜群のショルティ盤、どれも圧巻です!
それぞれのマエストロの個性ある解釈も、一流のオーケストラによって奏でられていますので、是非聴き比べて楽しんでみてください。