クラシック音楽の名曲である、ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」の名盤を3つご紹介させていただきます。
言わずとしれたショスタコーヴィチの名曲ですが、それ故にこの曲のCDは、王道からレア物まで数多く存在します。
今回は、その中でも「とりあえずこれを買っておけば間違いない!」という王道の名盤をセレクトしました。
個性の強い演奏や、独特の解釈がされた演奏ももちろん聴いていて面白いですが、やはりその楽しみを理解するには、誰もが名盤だと言えるものを聴かないと、その奥深さは体感できないと思います。
ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」のCDを買いたいけれど、どれが良いのか分からない…
という、これから初めて名盤を選びたいという方向けの内容となっています。
名盤を数多く紹介しているサイトだと、結局どれが良いのか分からないことが多いため、このサイトでは、まずこれを買うべきというディスクを3点まで厳選しています。
まず買うべき名盤3選
1.ムラヴィンスキー(指揮)/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
オススメ度 ★★★★★
ショスタコーヴィチの凄さを表現できる指揮者は、今なおムラヴィンスキー以外に存在しません。
- 正に、狂気と呼ぶに相応しい傑作。
- 冒頭から極寒の冷気を全身に浴びせられ、第4楽章まで終始全身を凍らされるような状態まで圧縮される。
- 整然と完璧なアンサンブルをするこのコンビは、もはや機械的で恐ろしささえ感じる。
- ショスタコーヴィチと関わりの深かったムラヴィンスキーにしか、この曲の本質を発揮できない。
- 良い意味で殺伐とした冷気のような演奏は、旧ソ連時代の最高到達点のように感じ、違う意味でドラマティック。
ショスタコーヴィチの曲を聴くなら、ムラヴィンスキー一択で間違いないです。
2.バーンスタイン(指揮)/ニューヨーク・フィルハーモニック
オススメ度 ★★★★☆
バーンスタインの強烈な個性が刻み付けられた、金字塔的名演。
- 第4楽章の有名なテーマは、圧巻のテンポで爽快な躍動感。オケは必死になってバーンスタインの指揮に食らいついているよう。
- 全体的に推進力が凄まじく、あれよあれよとバーンスタインの音楽に飲み込まれていく。
- フィナーレは、他では聴けないくらい劇的な荘厳さ。熱さと激しさが魅力的な一枚。
- その分、演奏面での粗さはやや目立つ。しかしライブで録音だけあって、曲と演奏による緊張感がひしひしと伝わるハイクオリティな臨場感がある。
とにかく爽快な気分になりたいというのであればバーンスタイン盤。第4楽章の高速テンポは有名です。
3.アンチェル(指揮)/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
オススメ度 ★★★★☆
アンチェルがチェコ・フィルらしいアンサンブルを見事に引き出して統率。このコンビの素晴らしさが詰まった一枚。
- チェコ・フィルが持っている独特な音色を楽しむことができる一枚。冷酷な曲でありながら透き通るようなサウンドを響かせるのが特徴。
- 録音も素晴らしく、特にトランペットは透明感あるサウンドでありながら迫力がもの凄く伝わって魅力的。
- ショスタコーヴィチの心の中にある思いや葛藤を、リアルさも出しつつチェコ・フィルにしかできない表現で演奏している。
- アンチェルの解釈により、この曲の大事な部分をしっかりと明確にし、本質を見極めさせるメッセージを感じる。
チェコ・フィルならではの素朴で豊かな響きでショスタコーヴィチを奏でた本作も、人気が高いです。
まとめ
- Qショスタコーヴィチ:交響曲第5番の名盤は?
- A
- ムラヴィンスキー(指揮)/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
- バーンスタイン(指揮)/ニューヨーク・フィルハーモニック
- アンチェル(指揮)/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
この曲ダントツの名盤はムラヴィンスキー盤。これを聴かずにこの曲は語れないと思います。
ショスタコーヴィチとも関わりが深かったムラヴィンスキーにしかできない解釈と、機械とも言えるくらい完璧なアンサンブルをするレニングラード・フィルの強烈な冷酷さは圧巻。歴史的名盤です。
一方の、圧巻のテンポと爽快さで人気のあるバーンスタイン盤、独特の透明感ある演奏で響かせるアンチェル盤も名演として評価されており、聴き比べてみると面白いと思います。