クラシック音楽の名曲である、ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」の名盤を3つご紹介させていただきます。
言わずとしれたブラームスの名曲ですが、それ故にこの曲のCDは、王道からレア物まで数多く存在します。
今回は、その中でも「とりあえずこれを買っておけば間違いない!」という王道の名盤をセレクトしました。
個性の強い演奏や、独特の解釈がされた演奏ももちろん聴いていて面白いですが、やはりその楽しみを理解するには、誰もが名盤だと言えるものを聴かないと、その奥深さは体感できないと思います。
ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」のCDを買いたいけれど、どれが良いのか分からない…
という、これから初めて名盤を選びたいという方向けの内容となっています。
名盤を数多く紹介しているサイトだと、結局どれが良いのか分からないことが多いため、このサイトでは、まずこれを買うべきというディスクを3点まで厳選しています。
まず買うべき名盤3選
1.ヒラリー・ハーン(Vn)/マリナー(指揮)/アカデミー室内管弦楽団
オススメ度 ★★★★★
2001年録音、ヒラリー・ハーンの類稀なる名盤。2003年にグラミー賞を獲得している。
- 重すぎないスマートな演奏で聴きやすい。
- 独自の音楽解釈を、言わずもがな技巧な演奏でパーフェクトに弾いている。
- 第2楽章のしみじみさも、自然なフレージングで心の琴線に響かせてくれる。
- 第3楽章のラストは圧巻。細かい音符を完璧に鮮やかに弾ききっている。
- ヒラリー・ハーンの純粋さが、ブラームスの音楽を丁寧に、かつ透明感あるサウンドで響かせている。
ヒラリー・ハーンが22歳の時に録音し、グラミー賞を獲得して世界にその名を轟かせた、今なお名盤の筆頭に挙がる一枚です。
2.ハイフェッツ(Vn)/ライナー(指揮)/シカゴ交響楽団
オススメ度 ★★★★★
ハイフェッツ自作のカデンツァも演奏された、歯切れのよい圧巻の演奏。
- テンポはかなり速いが、それを完璧に弾き切るハイフェッツの技術の高さを堪能できる。
- シカゴ響のサウンドは交響曲並みの劇的さ。対するハイフェッツもそれに応じるかのような迫力さで圧巻。
- 力づくではない演奏で、ロマンティックさも存分に感じられるため、表現力の鮮やかさも楽しめる。
- 自作のカデンツァも曲の面白さを更に引き出してくれるようで魅力的。
- 1950年代の録音ではあるが十分な音質の良さ。
ハイフェッツ×ライナーのコンビの素晴らしさを感じられる一枚。圧巻のシカゴ響サウンドにも要注目です。
3.パールマン(Vn)/ジュリーニ(指揮)/シカゴ交響楽団
オススメ度 ★★★★☆
パールマン独奏による、ゆったりとしたテンポによる名演。
- ゆったりとしたテンポの演奏の中では一番に推したい名演。
- 美音を極めたパールマンのヴァイオリンが存分に発揮され、この曲のもつ華々しさや繊細さが堪能できる。
- フォルテであっても力づくでなく美しく響かせる圧巻の技術力を聴ける。
- ジュリーニ指揮によるシカゴ響のオーソドックスで丁寧な演奏も、パールマンのソロを十分に響かせている。
パールマンの音色はとにかく荒々しさがなく美しさで響かせます。テンポを抑えている分、その美しさが存分に奏でられます。
まとめ
- Qブラームス:ヴァイオリン協奏曲の名盤は?
- A
- ヒラリー・ハーン(Vn)/マリナー(指揮)/アカデミー室内管弦楽団
- ハイフェッツ(Vn)/ライナー(指揮)/シカゴ交響楽団
- パールマン(Vn)/ジュリーニ(指揮)/シカゴ交響楽団
個人的にこの曲で名盤の筆頭を挙げるならば、ヒラリー・ハーンとハイフェッツです。
ヒラリー・ハーンの名前が世界に知れ渡った、マリナー指揮/アカデミー室内管弦楽団の名演は、今なお彼女の数あるディスクの中でも名盤の一つに数えられると思います。
ハイフェッツ盤は、圧巻のテンポの速さ、それでも完璧に弾く技術の高さと表現力、そしてゴリゴリに鳴らすシカゴ響のコラボ。聴いていて爽快になる一枚です。
同じくシカゴ響からパールマン盤を出しましたが、こちらはハイフェッツ盤とは対照的にテンポも抑えめでオケも伴奏に徹した役回りです。「同じオケでもこんなに違うのか!」を体験できると思います。