クラシック音楽の名曲である、フォーレ「レクイエム」の名盤を3つご紹介させていただきます。
言わずとしれたフォーレの名曲ですが、それ故にこの曲のCDは、王道からレア物まで数多く存在します。
今回は、その中でも「とりあえずこれを買っておけば間違いない!」という王道の名盤をセレクトしました。
個性の強い演奏や、独特の解釈がされた演奏ももちろん聴いていて面白いですが、やはりその楽しみを理解するには、誰もが名盤だと言えるものを聴かないと、その奥深さは体感できないと思います。
フォーレ「レクイエム」のCDを買いたいけれど、どれが良いのか分からない…
という、これから初めて名盤を選びたいという方向けの内容となっています。
名盤を数多く紹介しているサイトだと、結局どれが良いのか分からないことが多いため、このサイトでは、まずこれを買うべきというディスクを3点まで厳選しています。
まず買うべき名盤3選
1.コルボ(指揮)/ベルン交響楽団
オススメ度 ★★★★★
オルガン奏者、フィリップ・コルボらとの共演による1972年録音盤。
- オーケストラの芯のある繊細な美しさに乗せる、ソリスト・合唱の歌声も透明感のある一級品で質が高い。
- この曲の持つ優美さや透明さを引き出すのはもちろん、それらを巧みな構成力でバランスをとるコルボの音楽解釈の高さを感じさせる一枚。
- 究極の美が追求されており、心の底まで安らぎや癒やしを染み込ませてくれるような名演。
- 音質も優れており、特に音響面では両手を広げたような音の広がりを存分に体感でき、全身を包みこんでくれるような優しさがある。
- ボーイ・ソプラノの起用については好みが分かれるポイントだが、個人的には天に昇るような神秘的な雰囲気をより感じられるので好き。
この曲の名演の筆頭に挙がるのがコルボ盤です。コルボの極限まで追求した「美」をこれでもかと体感できます。
2.クリュイタンス(指揮)/パリ音楽院管弦楽団
オススメ度 ★★★★★
コルボ盤と並び、必ずこの曲の名盤として挙げられる一枚。洗練されたロマンティックな美しさに満ちた演奏。
- オーケストラも歌声も、聴き手の感情を揺さぶるような凄まじい表現力が発揮されており、他にはない独特な雰囲気も感じられる名演。
- クリュイタンスらしい清々しい温かさ、優しさによって包まれた癒やしのある響きが特徴。
- 真摯にこの曲と向き合って丁寧な解釈がされており、フォーレの独特な上品さを上質な仕上がりで奏でており、聴き応えがある。
- クリュイタンス盤は、聴き手をどこか違う世界へと誘うような、心打たれる一面を感じられる。
- 1962年2月の録音だが、今なお不滅の名盤として人気が高い。
コルボ盤と並んで人気の高いクリュイタンス盤。フォーレの音楽ならクリュイタンスを挙げる人も多く、彼にしかできない解釈も特徴的です。
3.ガーディナー(指揮)/オルケストル・レヴォリュショネール・エ・ロマンティーク
オススメ度 ★★★★☆
現在もっとも演奏されているフル・オーケストラ版(第3版)ではなく、特殊な編成によるオリジナル版(第2版)をピリオド楽器とともに演奏した一枚。
- 古楽の分野で有名なガーディナーが響かせる、オリジナル版では名盤の筆頭に挙げられる一枚。
- 小編成オーケストラのレベルは高いが、一番の聴きどころとしては合唱団。
- ボーイ・ソプラノの起用を望んでいたフォーレに応え、混声合唱だけでなく少年合唱も起用しているのが特徴的。より神秘的で透明感が増して聴こえる。
- 良くも悪くも「なぜフルオケ(第3)版が一番演奏されるのか」が分かる一枚でもある。古楽器では透明感を出すのに限界があるようにも感じられる。
フルオケ版の名盤、コルボ盤・クリュイタンス盤の次にオススメしたいのが、オリジナル版の名盤であるガーディナー盤です。
まとめ
- Qフォーレ:レクイエムの名盤は?
- A
- コルボ(指揮)/ベルン交響楽団
- クリュイタンス(指揮)/パリ音楽院管弦楽団
- ガーディナー(指揮)/オルケストル・レヴォリュショネール・エ・ロマンティーク
この曲には複数の版がありますが、今日もっとも演奏されて知られているのが、フル・オーケストラ(第3)版です。
まず、この第3版から名盤を挙げるのであれば、コルボ盤とクリュイタンス盤の2トップで間違いなし。この2枚の聴き比べでも十分楽しむことができます。
一方で、あまり演奏機会がないオリジナル(第2)版ではガーディナー盤の一択でしょう。第3版の2枚を聴き比べた後に、この第2版を聴いてみると、オリジナル版ならではの響きも楽しむことができます。