クラシック音楽の名曲である、ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」の名盤を3つご紹介させていただきます。
言わずとしれたブルッフの名曲ですが、それ故にこの曲のCDは、王道からレア物まで数多く存在します。
今回は、その中でも「とりあえずこれを買っておけば間違いない!」という王道の名盤をセレクトしました。
個性の強い演奏や、独特の解釈がされた演奏ももちろん聴いていて面白いですが、やはりその楽しみを理解するには、誰もが名盤だと言えるものを聴かないと、その奥深さは体感できないと思います。
ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」のCDを買いたいけれど、どれが良いのか分からない…
という、これから初めて名盤を選びたいという方向けの内容となっています。
名盤を数多く紹介しているサイトだと、結局どれが良いのか分からないことが多いため、このサイトでは、まずこれを買うべきというディスクを3点まで厳選しています。
まず買うべき名盤3選
1.ハイフェッツ(Vn)/サージェント(指揮)/ロンドン新交響楽団
オススメ度 ★★★★★
楽曲の深みを十全に引き出したこの演奏は、聴くたび感動で鳥肌が立つ超名演。
- 50年以上前の録音であるが、ハイフェッツのテクニックや音色の美しさは一級品で、今なお人気の高い一枚。
- 現代でも多くの録音がされている曲だが、ハイフェッツの技巧やスタイルは、今どきと比較すると、良い意味で古風な演奏に感じられる。
- ハイフェッツの演奏スタイルは、難しい曲をさらに難しく聴こえさせる技巧力が持ち味。この曲でもその印象が強く表れている。
- 特に3楽章はキレッキレの演奏。テンポも清々しく、ハイフェッツと相性が良い曲だということを思わせる演奏。
- 優美な甘さを追求する録音も多いが、ハイフェッツの場合は凛々しさ・清々しさを感じられ、どちらかというとサッパリとした甘さに聴こえる。
この曲の録音で一番人気が高いのがハイフェッツ盤です。彼のテクニックの高さや清々しい演奏スタイルは、この曲と大いにマッチしていて聴き応えがあります。
2.ジョシュア・ベル(Vn)/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
オススメ度 ★★★★☆
ジョシュア・ベル自らが音楽監督を務める、アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズと指揮者なしで共演した一枚。
- 弾きぶりということもあり、良い意味で自由奔放に弾いており、新しさを感じられる演奏。
- 昔から根強く伝わる解釈より、より新しさを追求した解釈になっており、この曲を聴き飽きた人にもオススメの一枚。
- 解釈については賛否分かれるかもしれないが、とにかく聴きば聴くほど、ただ好き勝手に弾いているのではないというのは分かる。
- 気品ある情熱的な演奏。ジョシュア・ベルの表現力は、聴き手の心の奥深くから熱い感情を湧き起こす。
ハイフェッツ盤と比較して聴くにはオススメのジョシュア・ベル盤。今どきの新しさも感じられる解釈で、この曲を聴き慣れた人には特に聴いてほしい一枚です。
3.グリュミオー(Vn)/ワルベルク(指揮)/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
オススメ度 ★★★★☆
円熟の極みにある巨匠の冴えわたるテクニックと、豊かな抒情が融合した熱い演奏。
- ソロとオケのバランスの良さは絶妙。グリュミオー独特の細かな演奏ニュアンス、それを支えるオケのダイナミックさもしっかり伝わってくる。
- グリュミオーは、テクニックを見せびらかすような派手さはなく、とにかく丁寧に大切に弾いている印象。巨匠の落ち着きが感じられる。
- 確固たる解釈・アプローチを持って、落ち着きある端正な音色を奏でるグリュミオーらしさがよく伝わる演奏。
- 落ち着きがある分、第3楽章のドラマティックさはやや物足りなく感じられるかもしれない。
グリュミオーらしい、確固たる解釈と丁寧で落ち着きある演奏は、この曲の奥深さを強く伝えてくれます。
まとめ
- Qブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番の名盤は?
- A
- ハイフェッツ(Vn)/サージェント(指揮)/ロンドン新交響楽団
- ジョシュア・ベル(Vn)/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
- グリュミオー(Vn)/ワルベルク(指揮)/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
この曲の名盤として不動の人気を誇るのが、ハイフェッツ盤。まずはこの一枚を買って聴くことをオススメします。
昔から根強い人気を誇るハイフェッツ盤の対抗馬として、新しめの録音で斬新な解釈も感じられるジョシュア・ベル盤を推薦します。古き良きハイフェッツと、新星を感じさせるジョシュア・ベルの聴き比べは特にオススメです。
また、情熱的な派手さはなく、終始落ち着きある演奏で定評のあるグリュミオー盤も人気が高いです。3枚を比較すると個性は全く別物ですので、是非聴き比べて楽しんでください。