日本クラシック音楽コンクールのレベルについて解説していきます。
「クラコン」でお馴染みの日本クラシック音楽コンクールは、日本クラシック音楽協会が1991年から主催している、国内で知られたコンクールの一つです。
多くのクラシック音楽のコンクールがある中で、「日本クラシック音楽コンクールのレベルは高い?」と疑問に思う方もいるでしょう。
そこで本記事では、日本クラシック音楽コンクールの審査の仕組みや、各ラウンドのレベルについて解説していきたいと思います。
コンクールで上位を目指すなら、教わる先生やピアノを正しく選ぶことも大切です。
2025年に開催される、作曲コンクールの情報は、コチラの記事でまとめています。
日本クラシック音楽コンクールについて
主な特徴
まず、「クラコン」の愛称で知られる日本クラシック音楽コンクールについて整理しておきましょう。
- 主催:日本クラシック音楽協会
- 開催期間:6月〜12月
- 開催場所:東京・大阪など
- 対象者:未就学児から成人まで
- 演奏曲:自由曲
このコンクールの最大の特徴は、自由曲制を採用している点です(国内のコンクールでは初)。
・得意な曲、好きな曲などを自由に選択してください。
予選、本選、全国大会を通して同じ曲でも、違う曲でも自由に申し込みができます。・ 1曲のみの申し込みや、2~3曲を組み合わせることもできます。
日本クラシック音楽コンクール 参加要項より抜粋 2024年2月16日閲覧 https://www.kurakon.net/participation_tune/
数曲を自由に組み合わせたり、抜粋したり、1分だけ演奏したりなど、基本的に縛りはゆるく自由に選曲することができます。
また、予選から全国大会まで、同じ曲で貫くことも可能ですので、同じ曲一本勝負で臨むという人も割といます。
クラシック音楽以外の曲、自作の曲、超特殊な奏法を用いる曲などはNGです。まあ、流石にね…。
審査の方法について
審査員は3人〜5人で構成され、予選・本選・全国大会とも同じ方法で審査されます(全国大会は5人)。
審査員がそれぞれ点数を出し、最高点と最低点を除いた平均点で結果が出されます。
- 審査員3人の場合:80点(A氏)、78点(B氏)、70点(C氏) → 最高と最低を除いた78点
- 審査員4人の場合:82点(A氏)、76点(B氏)、74点(C氏)、70点(D氏) → 最高と最低を除いた平均の75点
- 審査員5人の場合:89点(A氏)、88点(B氏)、86点(C氏)、84点(D氏)、80点(D氏) → 最高と最低を除いた平均の86点
一番高い点数と一番低い点数を除いた平均点を結果とすることで、(M-1の上○恵美子みたいな)極端に点数の低い審査が結果に含まれたりすることはありません。
審査員での会議などは行われず、完全に点数主義。良くも悪くもサバサバとした審査が行われます。
各ラウンドのレベルについて
ここからは、日本クラシック音楽コンクールのレベルについて、予選・本選・全国大会に分けて解説していきます。
予選
- 合格ライン:80点を最高点として、70点以上。
- 合格レベル:★☆☆☆☆(超易しい)
落ちる人は全体の約1割と言われるほどです。
予選では、よっぽど下手な人しか落とされないため、ここで落ちたら楽器を続けるのも考えたほうが良いとも言われています。
とはいえ、落ちるのは「楽器はじめて間もないのかな?」というレベルですので、ある程度しっかりと弾ければ間違いなく合格できます。
本選
- 合格ライン:86点を最高点として、80点以上。
- 合格レベル:★★★☆☆(やや高い)
本選では、全体の約3割が落ちる傾向にあります。
そのほとんどは予選を辛うじて突破、つまり予選で70点近くの人が大半です。
本選の次は全国大会ですので、ある程度将来的な見込みのある人しか合格できません。超易しい予選とは一転して、ハードルが高くなります。
ここまでで分かるように、予選と本選は完全に合格ラインでふるいにかけられます。入試や資格試験などと同じですね。
全国大会
- 入賞ライン:90点を最高点として、86点以上で入賞。
- 入賞レベル:★★★★★(高い)
知名度の高いコンクールの全国大会ですから、当然入賞のハードルは非常に高くなります。
90点満点の86点以上で入賞と聞くだけで、その高さは伝わるかなと思います。
最終的な順位もこれまた点数主義ですので、最高点の90点から順にグランプリ、第1位〜第5位が決定されます。
ただでさえ演奏者のレベルが高いのに、順位も点数で決まってしまうのが全国大会。
いくら最高点と最低点は除くといえ、審査員の1点の重みが非常に増してきますので、審査員も相当大変です。
まとめ
日本クラシック音楽コンクールのレベルについて解説してきました。
確かに、このコンクールの予選は非常に易しく、ある程度演奏できれば確実に本選へ駒を進めることができます。
それが独り歩きして「余裕なコンクール」という印象も持たれるのですが、本選からは一転して演奏者や審査のレベルが上がります。
予選と本選は合格ラインを定めてふるいにかけるスタイルですが、全国大会は実力者揃いになるため、たった1点で入賞するか、1位になれるかの争いになります。
一方で、国内で知られたコンクールの一つであるため、実力者のみならず、楽器を始めたばかりの人からでも参加しやすく、幅広い人に開かれたコンクールという印象があります。
全国1位を目指す人のみならず、まずは本選で自分の実力を試すという人も多いコンクールですので、楽器を演奏する人にとっては、まず視野に入れても良いコンクールだと思います。
コンクールで上位を目指すなら、教わる先生やピアノを正しく選ぶことも大切です。
2025年に開催される、作曲コンクールの情報は、コチラの記事でまとめています。