ブラームスの交響曲の中でも人気の高い「交響曲第1番」の名盤を3つご紹介させていただきます。
言わずとしれたブラームスの名曲ですが、それ故にこの曲のCDは、王道からレア物まで数多く存在します。
今回は、その中でも「とりあえずこれを買っておけば間違いない!」という王道の名盤をセレクトしました。
個性の強い演奏や、独特の解釈がされた演奏ももちろん聴いていて面白いですが、やはりその楽しみを理解するには、誰もが名盤だと言えるものを聴かないと、その奥深さは体感できないと思います。
ブラームス「交響曲第1番」のCDを買いたいけれど、どれが良いのか分からない…
という、これから初めて名盤を選びたいという方向けの内容となっています。
名盤を数多く紹介しているサイトだと、結局どれが良いのか分からないことが多いため、このサイトでは、まずこれを買うべきというディスクを3点まで厳選しています。
まず買うべき名盤3選
1.カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
オススメ度 ★★★★★
カラヤン×ベルリン・フィルの十八番。こんなに重厚かつ流麗な演奏は、彼らにしかできない。
- ブラームスの交響曲の決定盤と言っても過言ではない名盤。
- とても重厚な演奏で、最晩年の円熟したブラームスを感じられる。
- 表現と技術が共に冴えわたっている絶頂期のカラヤンの演奏が堪能できる。
- 何回聴いても飽きの来ない素晴らしい演奏。
- 録音は古いが満足のいく演奏。
ブラームスを聴く上で絶対に外せないカラヤン×ベルリン・フィル。重厚なサウンドがこの曲とかなりマッチしていて聴き応えがあります。
2.ミュンシュ指揮/パリ管弦楽団
オススメ度 ★★★★☆
最晩年のミュンシュがパリ管弦楽団と残した不滅の名演。
- リズム、オケの勢いの全てが鳥肌物の演奏。
- 遅めのテンポによる迫力ある重量感で、緊張感を保ったまま進み続ける演奏。
- パリ管らしい、細やかでしなやかな表現も特徴的。
- 華やかな演奏というより、しっとり落ち着いた演奏。
- やや録音は古いものの、緊張感、迫力のある最高級の演奏。
パリ管らしい繊細なニュアンスをもったサウンドが、この曲の持つ緊張感に大きな刺激を与えています。
3.バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
オススメ度 ★★★★☆
バーンスタインとウィーン・フィルのブラームスは、エネルギッシュで充実したオーケストラの響きが印象的。
- 作曲はじめ音楽的才能に満ちあふれているバーンスタインの魅力が詰まった演奏。
- ドイツ的な重厚の曲を、バーンスタイン解釈によってウィーン・フィルが奏でる個性さが楽しめる。
- 一音たりとも嫌な音の無い、ウィーン・フィルの美しい調べが楽しめる。
- 少し遅めの演奏だが、素直に感動できる。
- ブラームスの本質とも言えるベルリン・フィルに対して、ウィーン・フィルはロマンシティズムに特化したブラームスで面白い。
個人的に、ベルリン・フィルを聴きすぎて疲れた時に聴きたい一枚です。
まとめ
- Qブラームス:交響曲第1番の名盤は?
- A
- カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- ミュンシュ指揮/パリ管弦楽団
- バーンスタイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ブラームスの交響曲を聴くならば、カラヤン指揮/ベルリン・フィルが王道中の王道と言えます。
15年近くの年月を経て書き上げられたこの交響曲第1番は特に、ドイツ音楽の真髄とも言える堂々とした重厚さが求められており、ベルリン・フィルがブラームスの重くのしかかった苦労と解放された歓喜を、情熱的に奏でています。
一方でバーンスタイン指揮/ウィーン・フィルは、ベルリン・フィルの王道的な演奏に対して、少し肩の力を抜いた形で演奏されており、対照的に聴くと楽しめるでしょう。
どうしてもブラームスやベートーヴェンなどドイツの音楽は、重心が低くお硬い印象を受けてしまうが、それを忠実に演奏するベルリン・フィルと、その先入観を洗わせる開放的なウィーン・フィルを聴き比べてみると面白いと思います。